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2004.01.29

■【講演会】TEACCHプログラム研究会 志賀利一先生講演会に参加(その3)■

 はじめに、私はセイヤには将来「家を出て地域で自立生活をして欲しい」と思っています。だって、私たち親はほぼ間違いなく子どもより先に死ぬから。そして、現実的なセイヤの自立生活の形としては「グループホーム」も考えています。それでは、今回の講演会の内容で私にとって最も参考になったお話しについて書いてみたいと思います。
◆◇◆大人になった生活の支え(両親の心配な点から)◆◇◆

■親亡き後の心配な点①■
 はじめにも少し書きましたが、40歳以上の自閉症をはじめとする知的障害者の調査から「子どもは長生きする」そうです。よって、子どもの将来を考える場合はこの現実を前提として考えていく必要があります。何でこんな当たり前のことを書くかと言うと、実際に「この子より先には死ねない」と話す親御さんがたまにいるから。もちろん、その気持ちは分かりますがそう言った考えはあらゆる意味で「危険」だと思っています。

 そして、本人の状態によって必要な支援には差があると思いますが、親が心配な点はだいたい以下のような感じではないでしょうか? ただその中のいくつかは、ある程度答が出てきているのが現状なんだと思いました。(但し、これらも残念ながら地域差があります)
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【ある程度答が出ている課題】
★地域生活の住まいは?⇒グループホーム、単身(アパート等)
★食事や衛生面などの支援は?⇒ホームヘルプ、配色サービス、入浴洗濯サービス
★金銭管理⇒地域権利擁護事業等 

【困難な課題として】
★生活プラン・・・・自分でどれだけ意思表示ができるか?
★兄弟親族の役割・・・・・・血縁、家庭内で重大な議論をするのは意外と難しい。(財産で揉めるのが良い例です)
★急激な変化の予防・・・・・親が子どもを手放せなくなるケースは意外に多いそうです。
(例:急に親が倒れて・・・・。又は、親が高齢になり子どもが自閉症であっても傍にいてくれるだけで精神的に安心。など)
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 上記の困難な課題について今まで行政・福祉は、親に押し付けて「しらんぷり」であった為、直ぐに明確な答えは出ないのが実情だと思います。考え方は人それぞれだと思いますが、親がいなくなったら、「即、入所施設!」では私は死にきれません。

 特に、権利擁護という面においては「P&A(Protection & Advocacy)」 の活動も少しずつ進んでいるようですが米国などと比較すると悲しくなるほど整備されていません。グループホームの世話人だけでなく、地域権利擁護事業の範囲拡大や後見人制度などをしっかりと整えることが今後の大きな課題だと思います。(参考記事:毎日新聞
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■親亡き後の心配な点② [生涯収支シミュレーション]■
 グループホームや自立生活と言っても、いったいお金はいくら必要なのか?これは非常に興味のあることだし、避けては通れない道です。お金についてはその時になってジタバタしても遅いですからシミュレーションしてみましょう。

【支出はいくら掛かるのか?】
★グループホーム・・・・・・・一人あたり毎月 『5万円~7万円』 
★ディサービス・・・・・・・一人あたり毎月 『約1万円』
★交通費、雑費・・・・・・・一人あたり毎月 『約3~4万円』
 よって、グループホームで地域生活をおくる場合に必要なお金は、高めに設定しても『約12万円/月』ということです。これなら、企業の特例子会社での最低賃金でも何とか自立生活が出来そうですね。12万/月は安いのでは?と思われるかもしれませんが、この額は「支援費」があるから収まるということです。全てが実費だと約40万/月になります。
【収入はどのくらいあるのか?】
★障害基礎年金(2級の場合)・・・・・・・年額79.7万円
 (20歳から受給可能。但し、所得規制あり)
よって、70歳迄で計算すると、生涯受け取り年金額は
 『約4000万円』 となります。
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では、いくつかのパターンを想定してシミュレーションします。
(数値の出所は志賀先生が各地から集めた実際の値を元に分析されたそうです)
【ケース1】
就労・・・・・・18歳で授産施設⇒20歳で民間企業
(特例子会社など)に就職
生活・・・・・・35歳~75歳までアパートなどで単身生活
◆収入
週35時間×〔最低賃金条件〕×4week=約98,000円/月 
生涯収入は年金と合わせると 約8720万円
◆支出
35歳~75歳までアパートなどで単身独立生活の総支出 約9000万円(但し支援費利用が前程)
大体、トントンになります。
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【ケース2】
就労・・・・・・18歳から授産施設などで働く
生活・・・・・・35歳~75歳までグループホームで生活
◆収入
授産施設での就労による生涯収入 約600万円
障害基礎年金 約4000万円   
生涯収入は合わせて 約4600万円
◆支出
40年グループホームで生活するための総支出(雑費含む)
約6700万円
2000万円足りない 
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【ケース3】
就労・・・・・・18歳から授産施設などで働く
生活・・・・・・55歳~75歳までグループホームで生活
◆収入
生涯収入は年金を合わせて 約4600万円
◆支出
20年グループホームで生活するための総支出(雑費含む)
約5300万円
700万円足りない
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 なんとなくイメージ出来たのでしょうか? ケース2、ケース3は特例子会社に就職できれば貯金も出来ます。そして、何より大切なのはこのように「計算が出来るようになってきた」という事だと思います。このような計算が可能になることで「財産をどのくらい残せばよいか?」と言うこともある程度つかめますね。

【その他の問題( 厚生年金)】
 障害者雇用の枠で特例子会社などに就職した場合も会社員ですから「厚生年金」を支払うことになります。しかし、障害基礎年金受給者が厚生年金に加入している場合は、厚生年金は受け取れず払い損の形になります。どんなに一生懸命働いても大部分は最低賃金(約680円/h)ですし、決して恵まれてるとは言えない条件下で、これは無いんじゃないの?と言うのが正直な感想です。この件について少し調べてみましたが、どうやら以前よりかなり問題になっているようです。この件についてはもう少し勉強してから書いてみたいと思います。

 セイヤは7歳ですが、あと10年もすれば就労することになります。そして、「光とともに・・・」にも書かれていますが「明るく元気に働く大人」になって欲しいと願っています。10年なんてあっという間ですよね、まだまだ課題は山積みですがノースカロライナ州のような見本があるわけだし、ありきたりですが「希望をもって」これからも出来ることをやって行こうと思います。

尚、TamagoBlogでの講演会報告記事については志賀先生に許可を頂いております。志賀先生には、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。

光とともに(1巻) 戸部けいこ(著)
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 光君の卒園式でのお母さんの言葉「大きくなったら、明るく元気に働く大人になります」は、その時の私にすごく勇気と希望を与えてくれました。

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コメント

実によくまとまっていると思います。
このままプリントアウトして配ってしまいました。

投稿: H.Suzuki | 2004.02.02 22:16

ありがとうございます(^^)
プリントアウトして配ってもらえるなんて光栄です!

Webで公開している以上、誰に読んでもらっても
自己責任の範疇だと思っていますし、つたない文章でも
自分なりには一生懸命、楽しんでやっているので
褒めてもらえるのは嬉しいです。

当たり前ですが、応用行動分析(Applied Behavioral
Annalists)の強化子は自閉ちゃんだけでなく、私にも
有効だったりします。

投稿: Tamago | 2004.02.02 23:47

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