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2004.05.22

■介護保険と支援費の関係を考える5.16討論集会

 「カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル」で広報のあった障害者支援費に関する「討論集会」に参加してきました。

 昨年の4月からスタートした「支援費制度」ですが、この制度自体は今まで必要な支援サービスを受けられずに、外出もままならなかった障害のある人が外に出られるようになったりと、一定の成果がありました。また、今後「施設から地域へ」と、ノーマライゼーションの実現のためにも必要なアクションであったと理解しています。

 ただ、この制度自体、見切り発車的な部分も多々あったため、昨年末には突如「支援費単価削減案」と言う、この制度自体が崩壊しかねない厚生労働省の動きもありました。急遽、厚生労働省に対して「支援費単価削減案反対」の署名活動を実施したことは、まだ記憶に新しい出来事です。(署名に協力していただいた皆さん、本当にありがとうございました)

 現在、支援費については介護保険との統合案が出ていることは、ご存知の方も多くみえると思いますが、「支援費制度を実施してみてどうだったのか?」「どのようなことが分かったのか?」「今後について現在の取り組み状況は?」「みんなの声は?」と色々疑問もあるかと思います。私も例に漏れず疑問だらけだったわけですが、今回の討論集会に参加して少しだけ状況がつかめました。

 課題が多岐にわたり、また私自身がこの手の話が苦手ということもあるため、未だに消化不良な部分も多いのですが、詳しい内容は「カイパパ通信blog」にお任せするとして、個人的に印象に残った部分だけを紹介したいと思います。
 
 また、「障害者支援なんて自分には関係ないヨ~」と言う人がたまにいますが、「自閉症」などの先天的障害よりも中途障害者(事故や疾病により障害を抱えた人)の方が圧倒的に多いことを意外と知らない方がいます。私たちは、「いつ何時でも障害者になりうる」と言うことを考えれば、障害者支援は全ての人にとってのセーフティネットと言うことが理解できますよね(^^)

◆◇◆介護保険と支援費の関係を考える5.16討論集会◆◇◆ 
 開催日:2004年5月16日 午後1時から4時半
 会場:名古屋市公会堂 第7集会室
 参加者数:150名超
 司会:わっぱの会 斎藤氏

【厚生労働省 村木厚子 障害保険福祉部障害企画課長より】
 支援費施行前後のサービス利用実績データ(障害種別(身体障害、知的障害)、利用者年代、地域別など)を元に、サービスの伸び率や地域格差について一通り説明がありました。

支援費制度がスタートして一番大きかったことは「サービス利用が伸びた」こと。
※特に在宅系サービスが伸びている。施設系サービスとは異なり「事業者」がそろえば在宅系サービスは伸びる。( 施設系サービスはそれなりの建物が必要)
※残念ながら精神障害については支援費制度の「外」

障害者のサービスについては地域格差が大きい(障害児ホームヘルプの地域格差は最大で44倍)
※全国的に見れば、今後のサービス利用者数は増える見込み。
      ↑それだけニーズがある。(本当に困っている人がもっといると言うこと)
※データ上、愛知県は全ての分類で全国平均よりちょっとだけ積極的な地域の傾向。 

★「障害者の数」の内訳において異様なバラツキ。
「身体障害者」⇒高齢者の割合が多い(身体全体の59%を占める)
「知的障害者」⇒高齢者が極端に少ない (知的全体のわずか3% なぜ?)
※以前、志賀先生の講演会では「データより、自閉症をはじめとする知的障害者は親より長生きする」とありましたので、これについては少し驚きました。

~支援費制度の問題点・今後の課題~  

最も大きな課題は「財政問題」※平成16年度についても、昨年と同様つらい状況になる。
★「最初から6割増の予算を組めば良かったのではないか?」という声もあるが、(当初は3割増の予算を組んだ)、過去のサービス利用状況から「6割増の予算」を要求しても通るはずもなかった。

 というわけで、財政問題が今後の大きな課題であり、支援費制度だけでの対策ではなく、「介護保険との統合案」なども出てくるわけです。ただ、実際には入所施設などに投入されている莫大な障害者福祉予算なども存在するわけで、そう言った障害者福祉全般の予算の使い方について考えていく必要があるのだと思いました。また、それくらい大胆なことをやらないと大きな成果・発見は期待できないでしょう。 

 今回の討論集会でちょっと残念だったのは、この辺りの障害者福祉全体の予算の使い方の見直しも含めた、活発で具体的な話は聞けなかったと言うこと。 最後の方で、「NPOふわり」の’とえださん’が、この辺りについての提言を唯一されていました。
 
【参考】「NPOふわり」の掲示板、『ふわふわBORD』に’とえださん’の提言が書かれています。

自治体からの要望・提案
自治体から国に対しては、大まかに分類して以下の要望が出ているそうです。

①国庫補助を含めた安定的な財源の確保
②ケアマネジメントの制度化
③支給決定基準の策定
④三障害(身体、知的、精神)共通の仕組み
⑤その他、弾力化など地域の実情に合わせたサービス提供
(討論集会の資料より抜粋)

 ②と③は少しかぶる部分があるように思いますが、②については非常に高いスキルが要求されると思います。ただ、本気で取り組めばできるでしょうし、個人的にも必要だと思っています。簡単に言うとTEACCHプログラムのセラピストのような存在かなと思いますが、これを適当にやってしまうと、とんでもない事態が待っているので慎重にお願いしますネ。もちろん、ノースカロライナ州のTEACCHセラピストのスキルは非常に高いと言われています。人材育成は時間が掛かると言うことを認識して安易に考えずに慎重にやって欲しいです。

 ⑤についてですが、結局はお金の使い方に絡んでくるわけで、自治体からは「補助金廃止の提案」もでているようです。これらは突き詰めていくと小泉総理大臣の「三位一体改革」に繋がるわけですが、一言でいうと、これをやったら「障害者支援システムは崩壊」又は「地域格差は更に拡大する」と思っています。 

 「地域の実情に合わせたサービス」と言いますが、私の知っている地方の自治体などを例にあげると、自閉症をはじめとする知的障害者のニーズを理解している職員・役人なんて、そうはいないと思います。職員の方々にしても、いきなり配属された専門外の部署で四苦八苦している場合もあり、同情する部分もありますが、そういった人員配置を平気でしてしまう体制に、どうしてもまだ自治体についても心から信頼することが出来ません。(もちろん、長野県のように積極的にチャレンジしている自治体があるのも事実です。だからこそ地域格差は広がると思います)
 
 ひどい例を上げると、「○○センターを地域の福祉活動の拠点とする。」という或る地方自治体の方針の中で、「○○センターの利用対象者は高齢者と身体障害者」なんてことを平気で言っている自治体もあるくらいです。

 ということで、更なる「障害者福祉の地域格差の拡大」を防止するためにも、まだまだ国レベルで支援システムの基盤を作りこむ段階であると思います。また、世界的に観ても「障害者福祉」が整っている国は、必ずと言って良いほど「高齢者福祉」も整っていますよネ。

 また、一部では「日本の福祉は成熟してきた。これからはナショナルミニマムからローカルオプティマムだ」という意見もあるようですが(村木課長からこういう意見もあるとのお話がありました)、これもまた時期尚早なご意見だと思います。こういう意見は日本がアメリカ並に、町中のいたる所で「障害のある人たちが普通に働いている社会」になってから言って欲しいです。

介護保険との統合 
 参加者の中でも、特に「障害者本人」が気にしていたのは「自己負担分のお金が払えるかどうか」ということでした。これについて、現行の介護保険では「一割負担」ですが、何でもかんでも「介護保険」というわけではないとのことです。これは当然だと思いますし、安心して良いと思います(信じています)。

 障害のある人に対しての「就労支援」が福祉先進国に比べて極端に進んでいない、遅れている、日本なのに、「お金だけはキッチリ払えよ」と言うのもおかしな話です。基本は「身の丈にあった社会貢献」で良いと思っていますし、そのような社会を整備していく中で、福祉制度そのものが整っていくものと信じています。

 今回の討論集会でも「障害者の就労」に関してのお話はもちろんありました。地域生活支援を進める観点からも障害者の一般就労への移行を推進すべき、と言う考えは強いようです。また、障害者本人の一般就労への希望の声が多いというアンケート結果も頂きました。しかし、現時点においては就労支援についてもあまり進んでいないのが実情ですよね。まだまだこれからですが、ここ数年の世の中の動きとして「障害者雇用率」が伸びる可能性は高いと思っています。
【参考】ユニクロの障害者雇用率

 正直言って、私は経済などお金の絡む話は苦手なのですが、そうも言っていられない状況ですから少しずつ勉強していきたいと思っています。また、私のような人も少なからずいると思いますので、これから一緒に勉強していきましょう(^^)

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