■支援費制度と介護保険の違い
以前、「介護保険と支援費の関係を考える5.16討論集会」に参加しましたが、私自身がそもそも両制度の違いをよく理解していない状態でしたので、「財源的にも統合は仕方ないのかなぁ」と言う程度にしか思っていませんでした。
ただ、「統合案の話があるのは知っているけど、両制度の根本的な違いがよく分からない」と言う人は案外多いんじゃないかなぁ、と言う私の勝手な想像とお節介に基づいて、最近読んだ書籍の引用を交えながら現状の「支援費制度と介護保険の違い」について書いてみたいと思います。
また、周囲の声から「支援費制度と介護保険の統合は避けられないのかなぁ」と言う感触を私は持っていたのですが、現時点において統合に賛成している団体は、主要8団体の中でも「全日本手をつなぐ育成会」のみのようです。
【参考記事】
カイパパ通信Blog☆自閉症スペクタクル
介護保険・障害者支援費統合~育成会容認へ
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今回、参考にした書籍は「当事者主権 発行:岩波書店」です。この本の内容は、障害者の「自立生活センター」の不可能を可能にした具体的な事例とともに、障害者、女性、高齢者、患者など、問題をかかえているとみなされる当事者たちが「自分のことは自分で決める」と声をあげて、自ら行動する重要性を提言するものです。
この本の本題の部分についての感想もいずれ書きたいと思っていますが、今回は、この本の中で書かれている「介護保険と支援費制度の違い」について紹介します。
◆◇◆現状の「介護保険と支援費制度」の違い◆◇◆
(引用)
【1】介護保険には一割の本人負担がある。
~(略)~ 高齢者にも月額数万円の受給しかない低年金者や、場合によっては無年金者もおり、たとえ一割負担といえども利用をためらう現実がある。一方、支援費制度においては、応答負担になっており、年金のみの収入であれば自己負担はゼロである。【2】自立の理念が異なる。
介護保険ではサービスを利用しないことが「自立」の目標、支援費制度では、サービス利用を前提とした「自立」の達成、と「自立」の概念が根本的に異なる。 ~(略)~ 身体能力の喪失が、医療の対象から固定した障害へと変化していけば、高齢者の場合も、障害者手帳をとることができる。その時には、障害者の「自立の概念」に学ぶことが多くなるはずだと、私たちは考えている。 (以下略)【3】アセスメント方法が異なる。
介護保険では身体介助ひとつとってみても、トイレ二十分、入浴四十分と標準化がおこなわれている。一人ひとりが個性的な障害者にとっては、そういう判定基準自体が通用しない。また、社会参加の判定基準(後出)がまったく欠落しているのが介護保険である。これにくらべて障害者の介助サービスは、もっと自由で制約のないものである。必要な時に必要なだけ使えるサービス、そして介助を受けながらサービスの利用者と提供者とがお互いにサービスの質を点検しながら成長する関係が可能である。【4】介助者の資格制度が異なる。
介護保険・支援費制度どちらにおいても、身体介助・家事援助については1-3級ヘルパーの資格が義務づけられている。支援費制度の下ではそれに加えて、移動介助、視覚障害者および知的障害者のガイドヘルパー、「日常生活支援」などの、障害者のニーズに合わせた二十時間から二十二時間の短時間で取得できる新たな資格制度が作られた。(以下略)【5】ケアマネジメント制度がことなる。
介護保険では、ケアマネージャーによるケアマネジメントが要の位置を占めている。 ~(中略)~ 支援費制度においては、自分で行政に申告するだけでサービスが受けられる。【6】介護保険では介護サービスに上限がある。
介護保険では要介護5という最高の度数で月額35万円の上限が設定されており、それ以上のニーズを満たすには保険除外利用に頼るほかない。 ~(中略)~ 制度設計の中にあらかじめ家族介護が「福祉の含み資産」として計算に入っていたことは、すでに介護保険の施行以前から、多くの人々によって指摘されてきた。【7】社会参加の意味がことなる。
介護保険の社会参加は、デイサービスセンターに通うことであり、ご近所の高齢者の友人に会いに行くことは、社会参加と認められていない。一方、障害者の社会参加は、何を社会参加とするかは当事者が決める。障害者が様々な社会経験をして、失敗をくりかえしながら経験を積んで成長していく、人生のプロセス全体が、社会参加である。
今回紹介した本の趣旨から、話のトーンが「支援費制度」寄りに書かれている気がする人もみえるかと思いますが、書かれている内容そのものは実情です。仮に統合する方向に進んだとしても、両制度の優れている部分を共有して欲しいという「当たり前」のことを思ったりもしています・・・。また、現在の介護保険の枠組みは中流世帯のみが救われている制度のような気も。
個人的に現状の介護保険が最も不十分だと思うのは、家族介護を「福祉の含み資産」としていること。これを排除しないことには、ドラマ「光とともに・・・」でお母さんが言った「光より先には死ねない・・」というような言葉はいつまでたってもなくならない気がします。
あと、これも意外と知られていないことですが「自閉症」などの先天性の障害よりも、事故・病気などによる「中途障害者」の方が圧倒的に多いです。そういった意味でも、支援費制度の整備は全ての人たちにとってのセーフティネットであるということを広く理解してほしいと思っています(^^)
当事者主権 (著)中西正司、上野千鶴子
発行:岩波書店
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コメント
はじめまして、こんにちは。
僕は、保育園年中さんの父親をしています。
子供は男の子で、広汎性発達障害(自閉傾向)と判定されています。
彼の日常を見る限り、自閉症と言えるであろうと判断しています。
(オウム返し、くるくる廻り、言語遅延などなど...)
いろいろblogも作ってみたのですが、続かずに挫折しています。(笑)
今回は、ちょっと真面目に続けてみたいと思います。
また寄らせてください。
宜しくお願いいたします。
投稿: おいちゃん | 2004.06.18 13:45
コメントありがとうございます。
Blogも拝見しました(^^)
父親ですから、仕事などで制約もあるでしょうけど
楽しく続けられると良いですネ♪
息子さんの特徴から、「自閉症スペクトラム」の範疇に
いるお子さんのようですが、お父さんが子どもの状態を
しっかり受け止めていれば、大抵のことは乗り越えられるような気がします。
更新頻度はボチボチですが、いつでも遊びに来てください(^ー^)
投稿: Tamago | 2004.06.20 00:08