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2004.10.07

■発達障害者支援法案の必要性

 カイパパ通信blogに、10月12日から開かれる臨時国会で提出予定の「発達障害者支援法案」に関する、今後の予想される論点が掲載されています。

 別途、カイパパさんが分析を行なうそうですが、私も、カイパパ通信blog主催の「マイ施策提案会議」にグループ司会として参加し、この法案については大変注目しています。また、カイパパさんからは、

とりあえず「こういうポイントを一緒に考えてみよう!」という呼びかけと記事の予告にしておきますね。

 と書かれていましたので、カイパパさんが挙げられた論点にのっかる形で、トラックバックしたいと思います(^^)

(引用) ~カイパパ通信blogより~

 6月のキャンペーン開始から4ヶ月が過ぎましたが、法案の存在は浸透してきたかどうか? 計測が難しいところですが、やはり「自分には無関係」といった感じが残っているような空気を感じます。 また、自閉症スペクトラムの本人や親、支援者から、法案に対する疑問や批判の声も聞かれます。
 
 論点をまとめてみます。
★発達障害者支援法の関する論点★

【意義】
☆1 軽度の人だけに関係する?
☆2 差別・偏見を助長する?

【内容】
☆1 具体性に欠ける?
☆2 実効性をどう確保する?
☆3 大人の自閉症を無視している?
☆4 とりあえず平成17年度に国は何を考えている?

【法案の背景・意図するところ】
☆1 特別支援教育との関係
☆2 虐待予防
☆3 少年犯罪との関係

 では、私も発達障害児者に関わる人間のひとりとして、一緒に考えてみたいと思います。

■発達障害者支援法に関する論点■
【意義】

☆1 軽度の人だけに関係する?
→これは、明確に「No」ではないでしょうか。本法案は自閉症、広汎性発達障害をはじめとする全ての「発達障害児者本人」、「家族」、「支援者」、に関係する法案であることは明らかです。これらは法案の中でも明記されています。

 また、自閉症などの発達障害は症状や状態がそれぞれ連続(自閉症スペクトラムと呼ばれる由縁)していますから、どの境界から対象となる、ならないとかは明確には言えないでしょう。また細かい部分では個々のニーズがあるはずですし、大きな部分では発達障害児者の共通した課題があります。そういう意味でも、この法案の対象者は「自閉症をはじめとする、発達障害児者全て」だと私は理解しています。

☆2 差別・偏見を助長する?
→私の周囲で稀に見受けられるのですが、専門医からの「発達障害」の診断を受けることに、「レッテル貼り」のような感覚を持たれる保護者もいますから、意外に難しい問題のような気がします。特に、軽度の発達障害児者の保護者に多いのではないでしょうか。ただ、症状の重い・軽いに関わらず、何らかの発達障害を持つ人というのは、私たちメインストリームの人間とは異なり、程度問題ではすまされない困難な部分を抱えているのは事実だと思います。

 発達障害児者の彼らが安心して生活出来るようになるためには、私たちメインスリームの人間が日常的に受けている支援とは違い、障害特性を加味した支援が必要なわけで、そして、発達障害の本人に適切・必要な支援を実施する上では、その前段として本人の「適切な評価・診断」が必要なはずです。

 適切に「診断する」「評価する」ということは、その後の「適切なサポート」にも繋がりますから、決して「差別する」訳ではないと理解しています。高機能自閉症の成人の中には、「診断」を受けたことによって、何故自分は周りの人たちと違うのか?という疑問や悩みから、ようやく開放された。という話はよく耳にします。 いずれにしても、「本人主体」であって欲しいですネ。

【内容】
☆1 具体性に欠ける?
→法案のいくつかの部分においては、「もう少しはっきり書けばよいのに」と思える部分もあるのですが、考え方によっては、今後の具体的な提案は、自閉症協会などの当事者・親・支援者の組織、団体が中心となり、これから作っていけば良いのではないかな?とも思います。

 今までの福祉はパターナリズム(温情的庇護主義)が横行していたようにも伺えます。しかし、これからの時代において、具体的なものは当事者ニーズを尊重し、且つ世間の人たちとの調和を保ちながら、自分たちで主体的に決めて提案していくのがベストではないかなぁ、なんて気がします。

 また、そういう意味でも、まずは しっかりとした「理念」「方向性」を持った法律を作る意義は大きいと思います。

☆2 実効性をどう確保する?
→やはり、これについては各地の「発達障害支援センター」が鍵を握っているのではないでしょうか。各地の「発達障害支援センター」が文字通り、発達障害の人たちに関係する全てのセクション(教育機関、医療機関、就労機関、民間企業、福祉法人etc)を繋げるハブ(集線器)のようなセンター的役割を果した上で、コーディネートしていくことを期待します。

☆3 大人の自閉症を無視している?
→成人のことを考えると、現在の法案は意外にも軽度の人たちのニーズが漏れている気もします。高機能やアスペルガー症候群の人たちの中には、結婚・子育てに関する悩みも多いでしょうし、就労などに関しては民間企業に直接働きかけるような条項も欲しい所です。本法案は、自治体に向けての条項が多いですから、今後、地域格差の拡大は懸念材料の一つだとも思います。

☆4 とりあえず平成17年度に国は何を考えている?
→さっぱり分りません(^^; 私、発達障害に関しては療育以外は苦手です(汗)・・・・・・と言うわけで、カイパパさんの分析を待ちます。もしかしたら、支援費とかも関係してくるのかな?

【法案の背景・意図するところ】
☆1 特別支援教育との関係
→国の調査によると、「学習面や行動面で著しい困難を示す児童生徒」は全体の5~7%程度と試算しているわけですが、どこまで実際にやるつもりなのか?現状の教育現場やモデル校などを見る限り、さっぱり分らないというのが、正直な感想です。400人規模(一学年二クラス)の小学校だと、対象児童は25名程度です。ただ、この場合、対象児童は学年もバラバラですし、メインストリームの子どもを指導するのとは訳が違うのですから、手厚く指導するならば、特別支援教室を一クラス作れば済むという単純なものでもないでしょう。

 ただ、軽度の発達障害児の中には、教師がそれなりの配慮をすれば、普通学級で充分に楽しくやっていける児童もいるでしょうし、この辺りは現場の教育者のスキルの高さが要求されるような気がします。
 
 あと、余談ですが、特別支援教育をひたすら追及していくと義務教育の基本部分も見直す必要性が出てくるような気もします。行き着くところは、全ての児童を対象とした能力別指導になるのかもしれません。でも、それはそれで、色々と弊害が出てくるでしょうから、やはり難しい問題ではありますネ。

☆2 虐待予防
→虐待される子どもの一定数に、何らかの発達障害があることは広く知られている事実です。そういう意味でも、一歳半、三歳児検診だけでなく、その後の定期健診を追加したり、出来る限りの早期発見、サポートをしていくことで、虐待防止にも効果は期待できると思っています。

☆3 少年犯罪との関係
→何かと大きな少年犯罪が発生すると、「情緒的な云々」「発達の云々」など言われたりもしますが、(実際には発達障害に関係ない場合も多々あり)全体的な比率で言うと、発達障害児は被害にあうケースの方が多いのではないでしょうか?私はこれについてもあまり知見がないので、この部分についてもカイパパさんの分析を待ちたいと思います。

と言うわけで、私は「発達障害者支援法案」について、これからも応援していきます♪

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» 成人の発達障害者支援は如何なっているのか [outlandos d'amour]
 私が仕事で関わる発達障害者の殆どは、20歳以上。多くは、知的障害や統合失調症として診断された人や、20才以前に専門機関との関わりがなかった人ばかり。早期に発見... [続きを読む]

受信: 2004.12.10 23:54

コメント

カイパパです。

すばらしい!

私が書こうとしたよりも、重厚でよく書けていますね~(^^)

「私は、もう書かなくてもいいかな」と一瞬思いましたが、
ダブりがあっても、色々な人が、様々な機会・場所で語り合うことが法律に魂を与えるので、書きますよ。

日本の障害者福祉は、ものすごい勢いで(たぶんよい方向に)変わり始めている空気を感じます。

変化はまず「こわい」という気持ちが先にたちますが、私たち自身が参加して変化を与えていけるんだということに気がついて主体的に影響しあっていきたいですね!

投稿 カイパパ | 2004.10.07 07:17

とってもすばらしい分析だと思います。
敬服です!!

投稿 タロ吉 | 2004.10.07 08:40

はじめまして。大阪在住の30代独身女性当事者です。
上記の発達支援法案の内容を分析していただいてありがとうございます。成人当事者のことについて何も書いてないのが気になりましたので。。
地元の発達障害支援センターはもうはっきり言って、「子供で重度の人を見るのが精一杯」状態なので、特に成人の発達障害なんてみてられないよ状態なんです。こっちのほうが大変なのに。。。
成人になってわかったとき、一瞬は気が楽になるのだけど、「今までの人生は何だったの?私の人生返せ!」という思いで更にパニくってしまうのです。
欲をいえば、壮年期・老年期について触れてませんでした。
老後問題は今以上に困難が予想されるのに。。。

今、私の日記に心情を書いてありますので見られたら幸いです。今後、リンク張りやトラックバックしていただいても良いでしょうか?これからもよろしくお願いします。

投稿 みっちゃん | 2004.10.07 09:11

頭の中で整理ができていないと、ここまで書けないなぁ。

カイパパ通信とセットで、これから考える人にとっての参考書になりますね。

投稿 H.Suzuki | 2004.10.07 22:27

>カイパパさん

★意見の「ダブリ」や「相違」などは、何事においても
人それぞれの「モノの見方」があるでしょうから、どうしても
それらは発生しますよネ♪ また、だからこそ人間って面白いし、
無限の可能性を秘めているのだと思います(^^) 

 様々な立場の方々の主体的な意見や行動が「変化」を
与えられると思いますから、これからもお互いに刺激しあい、
常に本気で事にあたっていきたいです♪

>タロ吉さん

★お褒めのお言葉、恐縮です(^^ヾ

 最近は出来るだけ短い文章を意識しているのですが、
言葉足らずで誤解を与えるとマズイ内容については
どうしても長文記事になってしまいます。

 今後とも、よろしくお付き合いください♪

>みっちゃん

★はじめまして。当事者の方からの貴重なコメントはありがたいです(^^)
 
 私は「発達障害者支援法」の内容そのものに大きな問題はないと
思っているのですが、具体的な条項が不足していて、当事者の
方にとっては、物足りない感を抱くお気持ちも十分理解できます。

 具体的なサポートはこの法律の理念を軸として、これから決めて
いくことになると思うのですが、この法案が成立することで、
当事者からの要望も認められるケースは今後増えてくると期待しています。

 いずれにしても一足とびに前進することは難しいと思うので、
確実に一歩一歩前進して行きたいですネ♪
じれったいかもしれませんが、お互いに粘り強くやっていきましょう(^ー^)

リンク、トラックバックは大歓迎です♪

>H.Suzukiさん

★この法案自体、世間ではまだ認知が低いと思いますから、
私なりに出来るだけ分かりやすく、シンプルに書くことに努めてみました。

 また、私自身も活字にすることで改めて整理できたりしますので、
これからも書くことで自分自身にも理解を深めるように
意識してやっていきたいと思います(^^)

投稿 Tamago | 2004.10.08 01:01

こんばんわ。あじさいです
臨時国会での法案成立をまちつつ、その先を少しずつ
考えてきたいですね。
今法案事態、まだまだ、知らない人が多くいると思います。
「法案は難しそうだから・・・」「読んでも、内容がわかりにくい」といった方に、ぜひTamagoさんや、カイパパさん blogをよんで頂きたいですね。
私は、自分にできることを模索中です。

投稿 あじさい | 2004.10.08 19:15

>あじさいさん

 法案の文章って、なにかと難しい感じがしますから
一般の方は、なおさら分かりにくいかもしれませんよネ。

 そういう意味では、今回 論点をカイパパさんが
振ってくれたことで、私も項目別に書きやすかったですし、
世間の人たちに本法案を知ってもらうには、どのような
説明をすれば良いのか?私もなんとなく整理できました(^^

 身近な「教育」や「虐待問題」にも関係してくる法案だと
いうことを世間の人たちが知れば、もっと本法案の必要性も
認知される気がします。
 
 一つ一つは小さなことですが、色々と頭と体を使っていくことで、
新たな発見もあるでしょうから、これからもお互い、自分の出来る
ことを探していきましょう(^^)/

投稿 Tamago | 2004.10.09 22:38

カイパパ通信から 飛んできました
和パパと申します

blogの広がり ・・・ 大変面白い
強いメディアに育つンじゃにか !!!
興味があります

長男 自閉坊で 養護の高等部1年生です

投稿 和パパ | 2004.10.12 17:49

和パパさん、はじめまして(^^)

 ネットから広がるコミュニケーションって面白いです。
私もMLだけでなく、昨年末からblogを開設して
実感している次第です♪

 和パパさんのblogも拝見しましたヨ。
私はわが子が8歳になりたてのワカゾーですが、今後とも
よろしくお願いします(^ー^)

投稿 Tamago | 2004.10.12 23:22

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