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2004.12.08

■技術よりも大切なこと ~「技法に走らない」の真意~ [記事No.3]

 もし、先週の予告を楽しみにしていた読者様がいたら、ごめんなさい!最近、ある事について思う場面が立て続けにあり、どうしても書いておきたい事があります。おそらく、専門知識や支援技術よりも、もっと、もっと大切なこと。発達障害のある子どもの学習・生活サポートをする上で、私が常に大切にしている気持ちです。

★その前に、こんなことはありませんか?

・子どもに勉強や作業を指示すると、泣き出す、暴れる、逃げ出してしまう。
・自分は一生懸命教えているのに、子どもはなかなか上達しない。
・家庭と学校での様子にやたらとギャップがある。泣く回数、パニックの回数が増えてきた。(但し環境が違いますから、ある程度のギャップは仕方ないかと思います。)

 こう言った状況は、言葉では上手く伝えられない自閉症児からの「貴重なサイン」だと、私は考えています。少なくとも、「わがままな子」「関わりようがない子」では無いはず。 ただ、こう言った時に、「教える側の教師や親に専門知識・技術がないから」、「工夫して取り組んでいないから」と言う声も度々耳にしますが、私は根っこの原因は別にあるような気がしています。

■技術に頼らず、技術を活かす 
 TEACCHメソッドや太田stage、応用行動分析、等々。この手の専門知識を身につけ、いざ発達障害児の療育を実践すると、一度くらいは身近な人から次のような事を言われたりするのではないでしょうか。

・「技法に走りすぎだよ」
・「マニュアルなんて子育てには通用しないよ」
・「あのお母さんは訓練ママだからねぇ・・・」
・「子どもは自然に成長するから療育なんて必要無いよ」

 私は、このような言葉の意味は非常に広いし、場合によっては大切なことだと思っています。 しかし!仮にAさん、Bさん、Cさんの三人が同じように上記のような事を言ったとしても、「意味」は全く違っていたりする場合があるのも事実です。例えば・・・

★Aさんは・・・・
 「技法に走らない方が良いよ」と言う言葉の通り、絵カードやスケジュールボード等は一切使わない。

★Bさん、Cさんは・・・・
 「技法に走らない方が良いよ」と言いながら、PECSや構造化は必要と考えて実践している。

なんて事が私の周りでは結構あります(^^)

※そもそも、「療育」って言葉もたしかに引っかかりますよね(^^ 自閉症の「治療」の意味もとっても広いと思います。佐々木正美先生や太田昌孝先生も、「自閉症の治療」という言葉を著書の中で使ってはいますが、療育により、「自閉症を治す、自閉症が治る」とは、さらさら思っていないでしょう。 自閉症児だって成長のための「お勉強」は必要なわけで、特に構える必要はないと思っています♪

■本人の成長を「サポート」するための療育  
 このBlogのタイトルは、「ジョーの発達障害サポート研究室☆」ですが、私の「サポートの定義」は大きく分けて2つあります。   

①本人の生活・環境を、「分り易くする」「楽にする」「豊かにする」ためのサポート
必要な知識・技術→  TEACCHプログラム、AAC、ABA etc
              上位  <--------> 下位  ←これは私の独断 

②本人の認知発達向上を促すためのサポート
必要な知識・技術→   IEP、太田stage、TEACCHメソッド、ABA etc
                上位  <--------> 下位  ←これも私の独断             

 そして、上記の①が満足されていなければ、②をやっても意味がないと私は思っています。もう少し付け加えると、①が出来ていないのに②を実行すれば、それは発達障害のある人への「心理的虐待」に繋がる危険性は高いでしょう。

■指導者、親の「強い期待・思いはエゴ」にもなる?! 
 しかし、ここまでだとBさん、Cさんの感覚は同じようにもみえますよね(^^  実はつい先日、PECSを実践しているBさんは、「絵と物の交換で分り易い方法だからネ!」と言った後で、「でも、どんなに正確にやっても、この子はなかなかフェイズ4が出来ないんですよねぇ・・・」と私に言いました。

 この時、私は少し違和感を感じました。なぜ、違和感を感じたのか?私はその場では上手く説明が出来ませんでしたが、つい先日、あるセミナーでS先生から聞いた言葉で私はその訳が分りました。そのときのS先生の言葉を以下に紹介します。

「次はこれを出来るようにしよう」というやり方には、いつか(早い段階で)’終わり’が来るでしょう。

 私は、この言葉は非常に真意をついていると思いました。もちろん、S先生は療育を否定していません。現場ではPECSなども導入している様子です。また、私はこの「終わり(諦め感・絶望感)」は、比較的早い段階で訪れるんだろうなぁ、とも思いました。

■成長した!嬉しい!でもほどほどに・・・ 
 私はセイヤが新たに出来ることが増えた時、意識的に「過剰に喜ばない」ようにしています。もちろん、本人の認知発達に伴って行動の幅が広がることもあるし、我が子の成長だから、親としての正直な気持ちとしては嬉しいんですヨ!それでも私は、そこそこにしか「喜ばない」ようにしています (^^)

 それは、新しく出来ることが増える度にイチイチ喜んでいると、きっと次もこう思うはずだから。

 「よし!次はこれを出来るようにしよう!」 
※特に私のようなエンジニア気質の方は要注意かも。

 そして、こう言った親や教師の姿勢は、いつか行き詰まる時が来るような気がします。そして、こう言う姿勢の人にかぎって、あまりにもハードルの高い課題を本人に設定したりする傾向が伺えるのは私だけかな? そりゃ、勉強嫌いにもなるし、問題行動だって増えますよネ。 

 誰だって、出来ないものは出来ないんだから、その辺りを周りの大人が理解するのはとっても大切なこと。 あなただって、そうでしょ?もちろん、私も出来ないことがた~くさん!あります(^^) やはり基本は、「本人が出来ることに着目してサポートする」なんでしょうね♪

 私は発達障害のある人の成長をサポートするための療育は好きだし、必要だとは思っていますが、「今のままでも良いんじゃないかな~」とも、心のどこかで思っています。 「セイヤは今のままでも良いんだよ!」ってネ♪

 もちろん、こう言うことを意識しなくても大丈夫な読者様は、今回の記事は全く気にする必要はないと思います(^^) 今週は、早くも予定から脱線してしまいましたが、私自身がブレないようにするためにも、どうしても必要だと思い書いてみました。 (ここまで読んでくださった方、ありがとうございます☆)

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受信: 2005.04.23 18:46

コメント

カイパパです。

とても大切なことですね。

JOさんのブログは、技術や技法、支援グッズなど「モノ」に着目したテーマが多くなると思いますが、それだけに、今日の記事のような「ハート」の部分を見誤ると、

「熱心なあまり、子どもに酷な要求をして、心理的虐待につながってしまう」

ことを促してしまう危険性がたしかにあるのかもしれません。

今日の記事で語っていることは、何度も何度もJO研でくり返し語りかけてほしいと思いました。

【パートナーとしてのアドバイス】
文章がややこなれていないので、今日の記事は「わかる人にはわかる」内容だと思います。
何度も繰り返すことで、真意が伝わります。「大事なことは7回繰り返せ」というあるCEOの格言もあります(^^))

投稿 カイパパ | 2004.12.08 08:06

お久しぶりです。風邪引いてダウン中のマグレブです(^_^;)。

我が家はなるべく“頭でっかちにならない療育”を目指して、
「ユル~いサイトを…」と心がけていますが正直、
TEACCHやPECSを理解出来ない親の側の言い訳に
してしまってる事も事実です…。

ジョーさんのようにしっかり把握して実践する事が
長男スティッチにとって今必要かもしれない事だと考えると
焦って来たりもします。

カイパパさんの言うように、「技術・技法」の奥に潜む「真意」が
見える素敵なサイトをこれからも楽しみに(=頼りに?)してます。

無理しないで頑張ってください(その前に自分が頑張れって!?)。

投稿 マグレブ | 2004.12.08 09:28

タロ吉です。

我が子の成長を嬉しく思わない親は、いませんよね(^^)

自分は、我が子の成長を期待しつつも、

成長のイメージを勝手に、あまり描かないようにしています。

でも、我が子が、生きやすいように、日々、関わっていく事は

大切な事だと思います。

投稿 タロ吉 | 2004.12.08 12:25

『■指導者、親の「強い期待・思いはエゴ」にもなる?!』 
これじゃぁ、本末転倒だわ…と思ったばっかりです(^_^;)
本人本位が大切!折に触れて自分に問おうと思います。

その為にも手段は必要、これからの記事楽しみにしています♪

投稿 shiba | 2004.12.08 18:03

うはははは~
って、笑って逃げて良い?(爆)

表現するの難しいし、誤解されがちな部分だから、つい逃げちゃうんですが、丁寧に伝えていく必要がありますよね。

JOさんは何度か「原点」に戻るという表現を使ってきましたよね。
それを「分かりやすく」具体的に伝えていくと良いと思います。
(ちなみに、私は、勉強会などでは「根っこの部分をちゃんと押さえれば血迷わない」って繰り返してますが・・・笑)


投稿 こうまま | 2004.12.08 19:22

ジョーさん、こんにちは。

まったくもって、タイムリーな良い出逢いでしたねって、私が言うことか…。

私は、もう「療育」という言葉は、使わなくなっちゃったけど ね♪

楽しみに見ていますです、はい。

投稿 ハル | 2004.12.08 20:33

ジョーさん、こんばんは! !

ワタシはどちらかというと・・・
「子供は自然に成長する」派でした。
療育受けられるものは専門機関で受けてきましたが
家では特別取り組んではいませんでした。
子育てなんて、障害児も健常児も基本は一緒だと・・・(^_^;)

けれども・・・
たくとも2年生になり、いろいろと困難が目に見えてきました。
問題行動も増えてきました。

これではダメだ・・・と、やっと気がつき。
(遅すぎ! !)
たくとが楽になれるようにといろいろ勉強してます。

ジョーさんのブログは今の私にとってバイブル的存在。
これまでの勉強不足を取り戻しつつ・・・
たくとに無理の程度にボチボチやっていきます。

これからも期待してますよ!(^^)!

投稿 かずみ | 2004.12.08 22:07

こんばんは。先日書き込みしたかあこです。
ダダ父通信を主人と一緒に拝見しました。
まだまだ自分たちにはわからないことも沢山あり
初めて聞く言葉などもありますが、
ジョーさんやみなさんのブログを拝見し勉強し
子供が楽しく日々を送れるよう頑張りたいと
思います。

投稿 かあこ | 2004.12.08 22:42

>カイパパさん。
>何度も繰り返すことで、真意が伝わります。「大事なことは
>7回繰り返せ」というあるCEOの格言もあります(^^)
★アドバイス、ありがとうございます(^ー^)d
今回の内容は「真意」を伝えるのが難しい内容だからこそ、
これからも継続的に書いていきたいと思っています。
僕がブレないためにも必要なことですから♪

>マグレブさん
>無理しないで頑張ってください(その前に自分が頑張れって!?)。
★お気遣いありがとうございます(^^)
マグレブさんの「ゆる~く」って言うのはとっても大切な
要素なのかもしれませんネ。

マグレブさんの適度な「ゆるさ加減」は気持ちのゆとりを
確保する上でも、上手に確保していきたいところです。

>タロ吉さん
>我が子が、生きやすいように、日々、関わっていく事は
>大切な事だと思います。
★そうですよネ(^^) 彼らにとって私たちの社会は分かり難い世の中でしょうから、
本人が少しでも楽に生活できるサポートが出来たらいいナ♪と
いつも思っています。

>shibaさん
>その為にも手段は必要、これからの記事楽しみにしています♪
★はい、発達障害児に対して「手立てのない教育や指導」は
とっても恐ろしいことだと思っています。

 とは言っても、私も今まで散々失敗してきたのも事実です。
「本人の笑顔を増やす」ことが唯一の願いですから(^^)

>こうままさん
>うはははは~ って、笑って逃げて良い?(爆)
★ちょっと、ちょっと!それだけはかんべんして(^^;
こうままさんが言われるように、とっても伝えることが難しい
内容ですから、誤解されちゃいますってば!!

 いずれにしても、とっても大切な事だと考えていますので、
わが子の代弁者として、今後も継続して伝えていきたいと思っています(^ー^)

>ハルさん
>私は、もう「療育」という言葉は、使わなくなっちゃったけど ね♪
★そうですねぇ、使わないとすると私は「サポート」が適切な気はしています。
まぁ、とりあえずこの分野では一般的な言葉になっているようなので
しばらくは使うと思いますが、blogを続けていく過程でこれも考えていきます(^^)

>かずみさん
>これまでの勉強不足を取り戻しつつ・・・
>たくとに無理の程度にボチボチやっていきます。
★私は基本的に、お母さん方は既に十分役割は果たしていると思っています。
ただ、社会の仕組みが不十分だからお母さん達に過剰な労力が
掛かっているだけなんじゃないかな。

 私も自分が納得できるレベルでは、わが子をサポートできてませんが、
少しずつでも、子どもたちの笑顔が増やせたらいいなぁ、って
それだけを願っています。(^^)

>かあこさん
>こんばんは。先日書き込みしたかあこです。
>ダダ父通信を主人と一緒に拝見しました。
★私は今でも「ダダ父通信」は読んでいます。
ちょっと悩んだりした時には「基本に立ち返る」ことも、
とっても大切な気がするので、今でも私の参考書の一つです(^^)
  
 少し時間が出来たら、「自閉症スペクトル」
(著)ローナ・ウィングの本もお勧めです。特に私は
お父さん方にお勧めしています(^^ 

投稿 ジョー | 2004.12.09 02:06

「誰のための・何のための技法なのか?」
子どもと接するたびにとわなければいけない
ことですね^^

先日、PCを使った訓練で子どもが手をたたいて
喜びました。初めてみた、ほんとに楽しい・うれしい
と思った瞬間でした。

多くの楽しみ・喜びを子どもたちが日々もてる
そんな支援をしていきたいと思います。

投稿 あじさい | 2004.12.11 22:52

>あじさいさん
>多くの楽しみ・喜びを子どもたちが日々もてる
>そんな支援をしていきたいと思います。
★同感です(^^)
あじさいさんのような、専門家が身近にいることは
私たちにとっても嬉しいかぎりです。

今回の記事は私自身がブレないようにするために書いた
要素も濃いのですが、多くの方々からのコメントから、
改めて大切なことだと認識しました。

今後とも、宜しくお願いします(^^)/

投稿 ジョー | 2004.12.15 13:21

何かほっとする 内容でした。
ほんとに このような記事を初めて目にしたように思います。「真意」を大切に していきたいと思います。
はじめて 来たのですが一番最初にこれが目に入りました。これから お勉強のためにも楽しみにして来たいと思います。

投稿 ななたまん | 2006.03.01 23:05

ななたまん さん

はじめまして、この記事は私自身にとっても、大切なことであるため、
いつでも振り返ることが出来るように、「よりぬき記事」としてサイドバー
に置いています。

JO研は、更新頻度も「ほぼ週間」ペースと、ゆっくり進行していくBlog
ですから、気が向いた時に、いつでもいらしてください(*^^*)

投稿 ジョー | 2006.03.03 00:07

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