今更ですが基本的に私は自閉症児の味方です。しかし、味方とは言っても何も根拠がなくて意見を述べたりしているわけではありません(念のため)。そんなわけで、今回は自閉症児の療育・教育をする上でよく耳にする『問題行動』について書いてみます。
その前に、ちょっと待ってください!何かこの言葉を一方的に「問題行動を起こす子どもが悪い」もしくは「親の育て方が悪い」というような意識で使っている人、思っている人はいませんか?
自閉症児(者)の問題行動は、ほとんどの場合、本人のせいではないと思っています。それは、自閉症児の多くの問題行動と言われるものは「周囲の人間の行動などから学んだもの」であるから。いずれにせよ、全ての問題行動には必ず原因があるはずです。表面的な行動だけを見て 叱ったり、注意しても全く効果はありません。場合によっては逆に強化されます。 これについて自閉症療育では度々「氷山モデル」として解説されます。
また、それほど問題でもないこと(ちょっとした本人のこだわり)にメインストリーム(=健常者)の価値観で「大人の方がこだわっている」こともあるかと思います。
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それでは、いくつか具体例を出してみます。
◆◇◆問題行動(その1) 「所有者の区別」◆◇◆
【ありがちな大人の意見】
・この子(自閉症児)は、人の物と、自分の物の区別もつかないんですよ。他所の子の「おもちゃ」や食べてる「アイス」を横から奪い取っちゃうこともあるし。
【考えられる原因】
その子(自閉症児)の周りの大人は、その子が食べ物を残した時に「もったいない」と考えて、代わりに食べてしまったり、別の子にあげたりしたことはないだろうか?自閉症児の特性として、「場の使い分けが苦手」というものがあります。「家では良いけど、外では駄目」とか言い聞かせるのは難しいです。また、それを具体的に分かり易く教えることも難しいですよね。いっそのこと、「正しい見本」だけを見せて、教えた方が良いかと思います。(本当に子どもは良く見ています。自閉症児は特に見たまま覚えます。 まさに It's a picture worldです)
◆◇◆問題行動(その2) 「奇声」◆◇◆
【ありがちな大人の意見】
この子は「奇声」がとにかく多いんです。突然大きな声で「キー!」とか「キャー!」とか叫ぶので周りの人がビックリするし、お店などではとても恥ずかしいです。
【考えられる原因】
自閉症の人はそれぞれ独特の感覚を持っています。一つ一つゆっくり話せば問題ない人でも、連続で話しかけると思考が止まってしまう人もいるようです(ロースペックのPCみたいな感じ?)。もしかしたら、処理しきれなくなった言葉はゴミのようになって意味は分からないけれど文字だけが頭の中に残っているのかもしれません。その子どもは「奇声」をあげることで頭の中を掃除していると言う事さえ考えられます。
さながら、ノミを「ブルブルッ!」と振りはらう犬の行動に近いかもしれませんね。では、どうするか?ノミ防止の首輪を付けてあげるように、この子の場合はゴミの原因となる連続的な言葉かけを止めれば効果があるかもしれません。
この子どもへの連続的な声かけは単なる「虐待」です。(自閉症児への心理的虐待については「カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル」でも触れています)その上、自己防衛のための「奇声」に対しても叱られるとしたら、この子はどうすれば良いのでしょうか?犬なら確実に噛み付くと思います。(そうすると、自閉症児(者)は理不尽にも「他傷がある」とレッテルを貼られることもあります)
◆◇◆問題行動(その3) 「ぴょんぴょん」◆◇◆
【ありがちな大人の意見】
この子は歩道で信号待ちの時、赤信号の間ず~っと「ぴょんぴょん」と飛び跳ねるんです。青に変わると平然と歩き出すのですが、周囲の目もあるのでとても恥ずかしいです。
【考えられる原因】
その子が自分で不安を落ち着かせるために編み出した「技」だとも考えられます。まぁ、周りの視線も気になると思うけど慣れましょう。自閉症児の親・支援者はそのくらい図太くないと勤まりません(^^) 誰にも迷惑掛けていないわけだし、安全に横断歩道を渡れるのだから先ずはそのままにした方が無難です。下手に押さえ込んでパニックを誘発させるよりはマシだと思います。 後は、その子の目線や飛び方などをよ~く観察します。何か別の方法で不安を解消できる方法を考えてあげた方が良いと思います。
人それぞれ不安になる感覚に理屈はないはずです。高所恐怖症の人は理屈抜きに「高い所がダメ」ですもんね。(Tamagoは極度の高所恐怖症です) とは言っても自閉症の人の感覚の偏りは、私達の程度問題ではすまされないほど著しいので特別な配慮が必要なのでしょうね。
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尚、TamagoBlogで書いている内容は私自身に改めて言い聞かせるつもりでも書いています。「ありがちな意見」ですから、うっかりすると誰だって落ちいる可能性があります。また、決して「こうあるべきだ」などと人に押し付けるつもりは毛頭ありません。