2006.02.01

■【発達検査】PEP-Rと田中ビネー式知能検査に関する追加メモ[No.59]

 セイヤ君の手帳更新時期(名古屋市は愛護手帳って言います)が近づいて来たため、先日、療育センターへ再判定の検査に行ってきました。

 内容は知能検査の一つである田中ビネー式ですが、PEP-Rを実施したばかりという関係もあるのでしょうが、以前なら、「課題のできる・できない」 だけを見ていた私も、今回はセイヤ君の反応の特徴なども、興味深く観させていただきました。

 個人的な感想ですが、知能検査である田中ビネー式でも、数値だけでなくその時々の状況をよく観察することで、本人の基本的な特徴は一定レベル抑えられるような気はしました。動作性IQ、言語性IQの差もそれなりに把握できますし、過去の結果など、一定スパンで記録を取ることは非常に参考になるものです。

 それにしてもセイヤ君は、言語性と動作性の差がとてつもなく大きかった(^^; ちなみにIQの数値は以前よりも若干UP、年齢と共に少しずつ成長しているみたいです。

 ちなみに、この手のフォーマルな検査では「短期記憶」などに関する課題は、発達検査、知能検査のどちらにも同じ内容があるわけですけど、検査方法による発達年齢の指標って、多少(最大で5ヶ月程度)異なるものもあるんですね~、これは知らなかったです。

 ただ、何れの検査も公式に採用されているだけあって、私が実施したPEP-Rと、今回の田中ビネー式で、全体の発達年齢の差は5ヶ月しか出ませんでしたから、どっちの検査もよく出来ているなー、とある意味、感心です。

■本人にとって難しい課題は後半にちょっとだけ、間違えたら声掛けなしで見本を提示
 今回、検査の様子を客観的に観させてもらう中で再認識したことですが、問題行動の出現頻度と課題の難易度が対応するのは当然のこととして、難しい課題でもサラっと流せば意外と本人の機嫌は悪くならないものです。今回の判定員の先生はとても進め方が上手でしたので、このあたりも勉強になりました。

 この様子を観て、机上課題の前半は本人の興味を引く物で比較的簡単なもの。難しい課題は後半に持っていき、仮に間違えても、声掛けは最小限か、もしくは声掛けなし、くらいのつもりで、お手本だけ提示すれば、本人はそれほどストレスを感じることなく、スムーズにスキルを習得できるような気がしました。

■ありがち? な過大評価と過小評価
 それと、こういった評価をキッチリすることの重要性としてもう一つ感じたのは、日常生活では「本人の能力を過小評価」 し、一方で「こちらからの言語指示理解度は過大評価」 しているケースって案外多いのでは?ということ。

 わが家でも今回気づいたことですが、一つは本人の持っている本来の能力と比べて、日常生活での彼の役割が少ない気がしたんですよね。おそらくですが、日常生活での経験する場面を親が奪っていることって多い気がしています(大反省)。 

 また一方で、こちらからの言語指示についての本人の理解度については「過大評価」しているケースがあるかもしれません。以前ご紹介した「○○なら□□してもいいよ、の伝え方」にも繋がることかもしれませんが、ある程度はそれらを意識していないと、「本人に伝わった!」 とこちらが勝手に勘違いして、結局は本人にストレスを与えてしまう危険性って常にあるような気がしています。

■まずは多くの場面設定を
 というわけで、今後は今まで以上にセイヤ君にたくさんの場面を設定していきたいと思っています。そういった中で、「どの場面・瞬間で本人は困るのか?」 「なぜ困ったのか?」 が明らかになっていきますし、インフォーマルな評価の質も向上していくような気がしています。

 まずは、本人の大好きなお買い物を一通り自由にさせてみるのも良いかもしれませんね。ちょっと勇気は要りますけど。。。。

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2006.01.11

■【実践メモ】心理教育プロフイール(PEP-R)を実施しました![No.55]

 今週は、先日行ったPEP-Rの実践メモです(^^) 今回の結果を参考に、セイヤ君のIEPを今後は作成していこうと思っています。

■PEP-Rの概要
 最初に、PEP-Rについての簡単な説明になりますが、内容としては「7つの発達領域」 と 「4つの行動領域」について、それぞれ三段階の評価を行うことになっています。発達尺度は「合格」「芽生え反応」「不合格」、行動尺度は「適切」「中度の不適切」「重度の不適切」といった感じです。IEPの作成にあたっては、発達尺度の「芽生え反応」や行動尺度の評価結果に注目していくことになっています。
 
 詳しくは、以前ご紹介したWeb発達問題研究室などのWebサイトや専門書籍をご覧ください。

■評価項目と検査時間
 ちなみに、PEP-Rの評価項目は174項目もありますが、事前に全てに目を通せば、実施するまでもない項目がセイヤ君の場合は3割ほどありましたので、検査時間そのものは2時間程度で出来ました。ただ、検査途中にセイヤ君の機嫌が悪くなりそうな場面もあったため、順番を入れ替えたりの配慮は必要でしたし、今回はこのあたりの対応がたまたま上手くいったという感じもしています(^^ヾ 
 
■発達尺度の検査結果から課題設定へ
 これについては、「芽生え反応」と評価された項目において、課題のレベル的にも太田stageで紹介されている課題がそのまま流用できるものも多いと思いました。

■フォーマルな評価からインフォーマルな評価へ
 基本的にPEPは、形式的な誰にでも当てはまる項目による評価(=フォーマルな評価)なわけですが、今回、PEP-Rを実践して私なりに感じたのは、自閉症の障害特性を考えると、「行動領域」でのチェック結果をいかに上手く活用していくか?ということですかね。

 今回の取り組みでも、セイヤ君はどのような部分の耐性が強いのか?または苦手なのか?(=どんな支援が有効か?)ということも、なんとなく理解&再認識できたような気はしますし、行動領域の結果を参考にしながら、生活場面での不都合などをイメージすることで、IEP作成時の課題設定にも大いに役立つとは思いました。

 それに、これらの作業を継続していくなかで、本人の生活場面での評価や、目標設定もおのずと出来てくるはずですから、俗に言う「インフォーマルな評価」にも繋がっていくんじゃないかな? という感触はもっています。

■今後の予定
 PEP-Rそのものの実践報告は、これで一旦終了します。今後はIEPの作成を実施していく過程で、何か気の効いたものがあれば記事にするつもりです。 実際に記事を書いて感じましたが、今回のような取り組みは、ある意味フツーの内容過ぎて記事としてはあまり面白くないですからね、最小限にしときます。 

 ただ、セイヤ君への支援方法を考える時は、常に今回のような自閉症の特性を意識しながら行っていくわけなので、今回の件も私自身が基本に立ち返るには良い機会だったと思っています♪ 次週の記事は、机上課題ネタか、支援グッズ活用の経過報告にする予定です。

・PEP-Rの粘土を使った課題に取組中
060110

 








・PEP-Rの検査用具
Dsc00667

今回落ち着いてPEP-Rを実施できたのは、静かで構造化されたこの部屋のおかげもあると思います。写真には写っていませんが、「検査用具入れの箱」と「片づけ用の箱」をそれぞれ用意しました。

【関連記事】・PEP-Rと田中ビネー式知能検査に関する追加メモ[No.59]

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2005.12.28

■【研究メモ】PEP-Rの検査用具など[No.52]

 みなさん、こんにちはジョーです(^^)/
今年も残すところあとわずか、ジョー研blogからの今年最後の記事をお届けしたいと思います。
 
 今回はPEP-Rで使う検査用具についての研究メモです。もし、「PEP-Rを実践して個別プログラム作成に活かしたい!でも道具が高価だから・・・・・」と思っている方は参考にしてください♪

 PEP-Rの検査用具としては専用のものが一式セットで販売されていますが、たしかに個人で気軽に購入するには難しい価格(210,000円)かもしれませんよね。そこで、実際にはどんなものなのか?代用や自作はできないのか?ということで、専用の検査用具一式を書籍(新訂自閉児・発達障害児教育診断検査 川島書店)を参考にひとつずつ確認してみましたが、基本的には100円ショップ、おもちゃ屋さん(大型店がおすすめ)、ホームセンターで全て代用品が用意できると思いました。

 但し、材質等の関係で道具の扱いやすさや耐久性は異なってきますから、このあたりは検査の実施頻度やお好みによって自作するなり、専用セットの購入を検討されることをおすすめします。

 あと、実際にやろうとすると「適切な場所の確保」が一つの課題になってくるかもしれません。わが家の場合は、実家に何一つ物がない部屋と意味もなく広いベランダがあるため、適当に息抜きの遊びを取り入れながらやってみるつもりです(^^)
 

■視点を変えることで多くの気付きがあるかも?
 今回、PEP-Rの実施に向けて何度か本も読み返してみましたが、特に学校の先生方に実践して欲しいなぁ、と思いました。というのも、検査を実施する上ではいくつもの留意事項があるわけですが、PEP-R は知能検査とは異なり、本人の現在のポテンシャルを項目別に評価して個別プログラムに繋げるためのものですから、本人に合った提示方法を常に意識する必要があるんですね。

※本の中でPEP-Rは「発達的評価」と書かれていますが、個人的には「本人のポテンシャル評価」という言い方もありかなぁ、と思いました。私自身、セイヤ君のポテンシャルを半分も引き出せていないと痛感することが日々ありますので。
 
 また、検査中の行動観察も要点を意識しながら行うため、普段の生活では見過ごしがちな本人の特徴なども見えてくるとは思いますが、私の場合はそれ以上に、そういった視点を変える作業の中で、いかに私がセイヤ君にまずい対応をしているか?そんな発見もあるんじゃないかなぁ、と今から期待しています☆

 以上、今回の実践メモはここまでです(^^)

■来年もよろしくお願いします♪
 今年はつぼみの会NASプロジェクトを立ち上げて以降、不定期更新が続いていましたが、それでも毎月4,000名前後、アクセス数(トップページview数)は毎月10,000アクセス以上とたくさんの方々に訪れていただきました。本当に嬉しく思っています。

 おそらくは、これが今年最後の記事になりますが、みなさん、また来年お会いしましょう(^^)/ それでは、よいお年を♪

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2005.09.16

■【研究メモ】療育・教育現場でも使えそうな分析ツール[No.43]

 今回は、療育や教育の場面で原因分析などをする際に使えそうなツールをご紹介したいと思います。

 と、その前に。JO研のメインテーマは「だれでも使えて、発達障害の本人が楽しんで成長・生活できる支援グッズ、療育方法を研究開発する」ですが、行き着くところは「個別支援計画」をキッチリ立案して実行していくことだと思っています。

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